四季の絶妙な変化、途切れることのない永遠のめぐりに思いを馳せてごらんなさい。
すべての生命が眠る冬、
その生命が目覚める春、
生命の世界が美を競い合う夏、
そしてまた次の春までの眠りに備えて自然が声をひそめはじめる秋。
地上は今まさに大自然の見事な顕現---春、イースター、復活---の季節を迎えようとしております。
新しい生命、
それまで地下の暗がりの中で安らぎと静けさを得てひっそりと身を横たえていた生命がいっせいに地上へ顕現する時期です。
間もなくあなた方の目に樹液の活動が感じられ、
やがてつぼみが、若葉が、群葉が、
そして花が目に入るようになります。
地上全土に新しい生命の大合唱が響きわたります。
こうしたことから皆さんに太古の非文明化時代において宗教というものが大自然の動きそのものを儀式の基本としていたことを知っていただきたいのです。
彼らは移り行く大自然のドラマと星辰の動きの中に、
神々の生活---自分たちを見つめている目に見えない力の存在を感じ取りました。
自分たちの生命を支配する法則に畏敬の念を抱き、春を生命の誕生の季節としてもっとも大切にいたしました。
同じサイクルが人間一人ひとりの生命においても繰り返されております。
大自然の壮観と同じものが一人ひとりの魂において展開しているのです。
まず意識の目覚めとともに春が訪れます。
続いて生命力が最高に発揮される夏となります。
やがてその力が衰えはじめる秋となり、
そして疲れはてた魂に冬の休眠の時が訪れます。
しかし、それですべてが終りとなるのではありません。
それは物的生命の終りです。
冬が終わるとその魂は次の世界において春を迎え、
かくして永遠のサイクルを続けるのです。
この教訓を大自然から学びとってください。
そしてこれまで自分を見捨てることのなかった摂理はこれ以後も自分を、
そして他のすべての生命を見捨てることなく働き続けてくれることを確信してください。
『シルバー・バーチの霊訓(5)』(近藤千雄訳)
潮文社、1986、pp.30-32
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