一年間泣き続ける
- Yoshio Kobayashi
- 10月22日
- 読了時間: 3分

私が号泣するのは、がんの痛みに妻が苦しんでいたことを思い出すときです。
妻が痛みで苦しんでいるとき、私はどうしてあげることも出来ませんでした。
それを思い出すと、いてもたってもいられない悲しみが押し寄せてきます。
ところが妻が他界して丸一年と十日ほど経ったある朝のことです。
前日の夜も痛みに苦しむ妻を思い出して号泣していました。
その次の朝、私は思い切り、叫んでいました。
「もう いいよ。もう大丈夫だよ。心配いらないよ。」 急に叫んだ自分の声にびっくりしました。
自分でも言うつもりもなく、降ってきたように叫んでいました。
そのときは 叫んだ言葉の意味もはっきりわかりませんでした。
後で考えてみると、もう、今 痛みがないから 悲しまなくていいよ、もう、私は大丈夫だよ、心配いらないよ という意味で妻が私に言った言葉を叫んだのかもしれません。
その言葉は私が言ったのですが、私が言った実感はなく、何かの力によって、言うことができたような気もしました。
妻が他界してから一年間、泣き続けていたわけですが、泣き続けていただけでなく、本は読んでいました。
ある日、自宅の本棚に昔 古本屋の百円で買った「シルバーバーチの霊訓」という本を見つけます。
買った後一回も読んだことがありませんでしたが、読んでみると吸い込まれるように夢中で読んでいました。
そして、その日のうちに好きな言葉を並べて「愛する妻・夫などを亡くした人のためのシルバーバーチの言葉」というタイトルのユーチューブを作ります。
そのユーチューブを作ったのは妻が他界して、おおよそ二週間後のことです。
一人でいる寂しさを忘れるために作っていました。
このユーチューブは私が毎日十回ぐらい再生していました。
自分を癒す自分のためのユーチューブでした。
一年間 シルバーバーチの霊訓を読み、シルバーバーチの動画を再生していましたが、私は一年間泣き続けます。
結局、一年間シルバーバーチはまだ私の腑に落ちていなかったのです。
知識は知っていることと腑に落ちていることとは全く違います。
痛みに苦しんで他界した妻のことを思うとき、シルバーバーチの言う通り、肉体の痛みから解放され、霊界で幸せに妻が暮らしているのなら、それを疑う理由がありません。
一年間 シルバーバーチを読んで妻が霊界で幸せに暮らしていることを学んでも、やはり、泣いてしまうのです。
知識だけで腑に落ちていない証拠がここにあるのです。
一年と十日でやっと 腑に落ちたのです。
腑に落ちて以来 妻のことで泣いたことはありません。
私はシルバーバーチに出会って、一年で腑に落ちましたが、これは人それぞれです。
三か月六か月と比較的早い方もいらっしゃれば、二年 三年 四年と長くかかってしまう方もいらっしゃいます。
早い 遅いは個人差ですのであまり気にすることはありません。
ただ、シルバーバーチを読み続けていれば、必ず、腑に落ちる時が来ます。




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